次に、Zoomの最新機能についてご紹介します。まずは、資料共有機能のうち「バーチャル資料共有」をご紹介します。「資料共有機能」から「詳細」ボタンを押し、「バーチャル背景としてのスライド」を選択することにより、背景と話者の映像を混在させて表示することができます。
続いて、音声共有機能から、「同時通訳」機能です。例えば日本語と英語の二つをセットした場合、参加者に聞こえる音声は、10%がスピーカー本人の声で90%が同時通訳者の声となります。これにより、臨場感がありながら、通訳の声をはっきり聞くことができます。
三つ目に、ビデオ共有機能から「基本設定&ビデオフィルタ」をご紹介します。ビデオフィルタを適用することにより、肌補正を行ったり、部屋が暗い場合に低照度に対して調整ができたりするようになっています。また、ベータ版ではありますが、スタジオエフェクト機能もあり、リップカラーを選択したり、髭をはやしたりするようなこともできます。
セッション4: Successful Deployment / 成功するZoomの導入プロセス&リモートワークの展開〜組織でのZoom導入におけるカスタマーサクセス〜 (ZVC Japan株式会社 Customer Success Manager Lead 大久保真里、アカウントエグゼクティブ 平田真一)
本セッションでは、Zoomのカルチャーである "Delivering Happiness"を基本として、組織でZoomを導入する際のヒントやコツをご紹介し、Zoom社内におけるリモートワークや在宅勤務のスタイルも共有しました。
チェンジマネジメントで導入を成功に導く
まず、お客様にZoomを使いこなしていただくためにサポートを行う、カスタマーサクセスのチームの大久保より、組織における変革プロセスを、「チェンジマネジメント」の考え方に基づいてご紹介しました。
お客様がサービスの導入を決定した時から、成功に向けた旅が始まります。ここで、目的地を定め、旅のプランを考えることが、最高の旅の実現につながります。チェンジマネジメントは、旅の方向性を定めるルートを決定します。ここでは、変革を成功に導くために、「ADKARモデル」の考え方をご紹介します。
各ステップのゴールは、以下の通りです。
認知(Awareness)
変革の必要性についての認知を高める
欲求(Desire)
個人が変化を求めるようなマインドセットを持ち、変革に参画しサポートしたいという欲求を持つ
知識(Knowledge)
トレーニングを行い、変革を実現するツールを使うための知識を持つ
能力(Ability)
トレーニングで得た知識を、個々で実行に移すことができる能力を持つ
定着(Reinforcement)
変革が持続し、定着する
チェンジマネジメントを実現した株式会社デンソーの事例
次に、上記のステップに基づき、実際に45,000人規模でのZoomの導入を本年4月に行い、チェンジマネジメントを実現した、株式会社デンソー様(以下、デンソー)の事例を、アカウントエグゼクティブの平田より、ご説明しました。
認知(Awareness)
デンソーでは、以前から働き方改革を進めていましたが、コロナの影響でさらに促進され、全社員が利用できるコミュニケーションツールを導入する必要がありました。在宅勤務下でのコミュニケーション維持のため、社員が、電話と同じようなレベルで身近に使えるようにならなければならないこと、それによって、集まることが必要でなくなり、意思決定のスピードが上がることについて、認知を促進しました。
欲求(Desire)
45000人という大規模な導入において、導入への抵抗感を払拭するため、まず、5000人規模のトライアルを実施しました。これにより、導入に同意をする社員が非常に多いことがわかりました。並行して、導入に関して疑問を持つ社員には個別にメリットやコストなどを説明し納得感を持っていただくこと、利用開始の際には正式にアナウンスをすることで、安心感を高めました。
知識(Knowledge)
ユーザー登録者へウェルカムメールを送付したり、社内イントラサイト内の情報リソースにきちんとナビゲートしたりといった活動を行いました。それに加えて、デンソー向けにカスタマイズしたトレーニングを、ZoomのCSM(カスタマーサクセス)が行い、延べ5000人の社員が参加しました。トレーニングの録画は、FAQも含めてその後は、誰でも簡単にアクセスできるようになっています。
能力(Ability)
基本機能以外の便利な機能や、社内セミナーでの使用法、複数モニターでの使用法などを紹介し、ウェビナーのトレーニングも提供しました。また、社員の支援として、ハードウェア(マイクやスピーカーなど)に関する質問が多く挙がったため、安価で高品質な製品を選定し、展開しました。
定着(Reinforcement)
変革を持続させるため、Zoomのアップデートによる変更点の周知を行ったり、デンソー社員からの機能リクエストを収集しZoomに伝達したり、といった活動を続けました。また、導入から5ヶ月後にアップデートのトレーニングも行いました。
このようなADKARモデルに沿った数々の試みにより、デンソーでは、全社導入を短期間で成功させています。